成年後見制度を行う手続き

加齢により判断能力が鈍り、自身の行動をコントロールできなる場合があります。この場合、この状態を放置すれば、ご自身が意図しない契約を締結してしまい、結果的に資産を散財してしまうおそれがあります。そのため、この方の財産を残しておくためにも、成年後見制度を活用することをおすすめします。この制度は成年後見人を選定し、この者に成年被後見人となるべき方の法律行為についての包括代理権と同意権を付与することによって、成年被後見人による財産の散逸をできるだけ防ぐことができます。もっとも、成年後見制度を適用させるためには、手続きが必要です。以下、必要な手続きについて説明いたします。まず、成年被後見人になるためには、精神上の障害を原因として、事理を弁識する能力を常に欠いている必要があります。すなわち、恒常的にご自身の行為をコントロールすることができないことを必要とするわけです。

そのため、交通事故や病気により一時的に記憶障害等の症状が出ただけではこれに当たりません。通常、認知症などの重度の精神障害が存在することを証明するために医師による診断書を用意する必要があります。次に、成年後見制度を受けるためには、家庭裁判所による後見開始決定を受ける必要があります。これは、成年後見制度を活用する旨を家庭裁判所に対して申し出て、これに応じて裁判所が職権で成年後見人を選定し、対象となる人間に成年被後見人になる資格があるか否かを判断した上でなされます。そのため、この制度を活用するために、成年後見人となるべきものを予め選んでおく必要があります。この成年後見人は、未成年者や破産したあと復権を得ない者などその能力に疑問がある者、また推定相続人などの成年被後見人と利害関係人となるべき者はなることができません。もっとも、成年後見人は自然人である必要はなく、法人でもなることができます。保有財産がそれほど多くない方であれば自然人でもその財産の管理を行うことはできますが、その額が多額であれば自然人が行うことはほとんど不可能です。そのため、このような場合には法人を成年後見人の候補とするべきです。

そして、法人を成年後見人とした場合、自然人の場合に比べ成年被後見人の財産の横領などの違法行為が行われる危険性が少ないというメリットもあります。そして、裁判所の決定を得たあとは成年後見人に選ばれた者が成年被後見人の財産を目録を裁判所に提出して成年後見制度を受けることができます。